巨人優勝!!

巨人、5年ぶりリーグ優勝!!

 

  5年、なんて言葉にしてしまうと、なんとなく物足りない。だけど、たかが5年、されど5年。「レリゴー」言ってたのも、「STAP細胞はあります!」って真似したのも5年前。まもなく消費税が10%になるが、8%になったのがちょうど5年前。ちなみに、5年前、この筆者は絶賛厨二病だった……というわけでもないが、あることがきっかけで、周りの人間、特に周りの大人が信用できないと一番思っていた時期だった。

 

  そりゃ、5年経てばチームも変わる。今季のリーグ優勝、何よりそれを実感したのは、中心に坂本勇人がいたことだ。キャプテン就任5年目にして初の優勝。私も、何度か巨人の優勝を見ているわけだが、その中心にいたのはいつも阿部慎之助だった。でも、その中心はしっかりと坂本にうつっていたわけだ。「酒を浴びて浴びて浴びるぞ!」と最高の笑顔で叫ぶ坂本を見て、なんだか泣きそうになった。

  思えば、キャプテンになってからの坂本に「足りなかったもの」は優勝だけだった。安定の打率、しっかりと期待できる長打、華麗な守備、エキサイトシートの子どもたちとのキャッチボール、ついでに誰もが認めるイケメン。すべてにおいてスーパーヒーローであったわけだが、キャプテンとしての優勝、という事実だけは今までなかった。それが、今年ついに、というわけである。

 

 そして、このチームを坂本とともに引っ張っていた、と言えばエース・菅野智之だろう。個人成績としては、たしかに今季は菅野らしくなかった。それでもさすがはエース、二桁勝利を達成。そして、今年の菅野に関して特筆すべきは、「弟子」たちの飛躍だろう。サウスポーの中川が中継ぎとして、勝利の方程式の一角になった。チーム事情で抑えに回ったこともあったが、きっちり役割を果たし続けた。また、2015年ドラ1投手・桜井が待望のプロ初勝利。しかも、それだけでは終わらず、プロ入り以来3年間ずっとくすぶっていた男が、今季ここまで8勝だ。中川も桜井も、菅野と自主トレを共にしている。この二人の成長は、間違いなく菅野の貢献が大きいだろう。

 

  また、巨人優勝を語る上で、忘れちゃいけない選手がもう一人いると思う。小林誠司だ。いろいろ意見が未だにあるのは事実だが、ここでははっきり書いてしまう。正捕手である小林がいなければ、優勝はなかっただろう。
  常に、チーム内で誰かと比べられる存在だったし、今でもそうなんだとは思う。しかし、逆球・荒れ球のキャッチング、ストライクゾーンギリギリでのフレーミング、バント阻止など、記録に残らない部分での活躍は年々増えていると思う(もちろん、昨季までもたくさんあった活躍ではあるが)。また、代名詞である強肩も忘れてはいけない。盗塁阻止率は.433(2019年9月21日現在)と、安定のダントツ1位。ここで注目すべきは盗塁被企図数の少なさだ。驚くべきなのはヤクルトの山田哲人が盗塁連続成功記録を塗り替えたが、この38盗塁の中に小林からのものは1つもない、ということだ。また、課題と言われ続けているバッティングも、打席数は少ないものの打率.250近くを割と安定して維持している。バッティングについては、今までよりも期待度が増したことは間違いない。

 

  時代は変わる。チームも変化していく。阿部のチームから、坂本中心のチームへ。でも、そうは言っても、引っ張っているのは今は坂本一人ではないと思う。たしかに、阿部のチームの時代は大黒柱の阿部が揺るがない存在であった。しかし、今の坂本はそういうわけではない、坂本中心であるものの、坂本菅野小林の3人で引っ張っているイメージなのだ。そう、サカスガコバのチーム。前の方がいいとか今がいい、とかいう問題ではなく、そういう時代なのである。でも、この体制は数年前、巨人ファンが思い描いた理想像に限りなく近いものだと思う。

  そして、この時代は始まったばかり。どんどん突き進んでいってほしいし、これからの未来、どうなっていくかわくわくする。

  だけど、変わっていく前に一言だけ言いたい。

 

  巨人、リーグ優勝おめでとう!!!