「ツナグ 想い人の心得」ーー読書の記録 その3

 ごく久しぶりの、といいつつまだ3回目の読書の記録をしていきます。

 

 今回の本はこちら!

ツナグ 想い人の心得

ツナグ 想い人の心得

 

 

辻村深月さんの「ツナグ 想い人の心得」です。

 

 書の記録3回目にして、2度目の辻村深月さんの作品です。

 

 単にあらすじを紹介します。

 一生に一度だけ、死者との再会を叶える使者である「ツナグ」。最愛の祖母からその役目を受け継いだ少年は、月日がたった今、会社員として働きながらもなお、その依頼を受け続けていた。依頼者たちは誰に再会するため、そしてどんな想いを抱えて使者に依頼をするのかーー。

 

 

 ヒットし、映画化もされた前作「ツナグ」の続編です。全5話の連作。1話目では「私が、使者です」と登場する少女に驚かされました。しかもこの子、小学校低学年。なぜ、使者が少年ではなく、少女なのか。前作を読了している状態で読み進めるとだんだんわかります(前作を読んでいなくとも、最後にはわかります)。そして、この子に限らず、5つの話の登場人物たちが少しずつ交わりを見せる。5話を通して、さらに前作から続いて1つの物語となっている。まさに短編ではない、連作、という形で芸術的な美しさを感じました。また、特に印象に残っているのが3話目「母の心得」。ここでは、とある最愛の人が亡くなってから、繋がれた人々がいました。どこに大事な人との出会いがあるのかわからない。少し前まで放送されていたドラマ「にじいろカルテ」で、高畑充希さん演じる主人公が「病気って、おもしろい。」と言っていたのと少しリンクしました。不幸がまた不幸を呼ぶわけではない。そこから新しい何かもあるかもしれない。言葉にしてしまうとどうしても軽くなりますが、「今」を大切にしないと、と強く思いました。

 

 、つらつら書いてみましたが、この本、泣けます。どちらかといえば暗いことの多い現在だからこそ、こみ上げてくるものもあったように思います。

 

 

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マンガを読んでみた話

 ンガアプリは、便利だ。そのことに今更ながら気が付いた。

 

 スマホには現在、7個のマンガアプリが入っている。もちろん、もともと使っていたものもあるが、半分以上はこの1年間にダウンロードしている。それだけ、マンガを読んだ。ここでは、この1年で読んだマンガをいくつか紹介する。

 

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バクマン。

  2012年に完結したジャンプマンガ。集英社によるマンガアプリ「ゼブラック」で全話無料で読める。

 

 ~あらすじ~

 高い画力を持つ真城最高(サイコー)と文才に長けた高木秋人(シュージン)はコンビを組み、漫画家を目指す。ジャンプの頂点を取ること、そして「恋」を成就することという夢をかなえるため、奮闘する姿を描いた作品。

 

 のマンガの魅力は、リアリティ、内容の濃さだと思う。

 ず、リアリティ。サイコーとシュージンはジャンプの頂点を目指すわけだが、その過程がもうすごい。編集部、アンケート制度や新連載や打ち切り作品の決定などなど細かく見られ、それがもうリアルである。というか集英社、ここまで描いちゃっていいのか?と思うレベル。ちなみに、後でWikipediaを見て知ったのだが、登場する編集者たちはジャンプの実際の編集者がモデルとなっているらしい。

  れから、内容の濃さ。ジャンプマンガなのだから当然、2人の主人公にはライバルが立ちはだかるわけで、漫画家を目指す話なのだから、ライバルたちもまた漫画家なわけである。そう、「バクマン。」内にもまた漫画作品が恐ろしい数出てくるのだ。それぞれのキャラクターの個性に合わせたような作品がいくつも登場する。

 容は濃いし、マンガのすごさを新しい観点で見せてくれる面白さのある作品だった。

 

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ハイキュー!!

 2020年、完結を迎えて大きく話題になったジャンプマンガ作品である。現在、「ゼブラック」と「少年ジャンプ+」のアプリで42巻までは無料で読める。

 

ハイキュー!! 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ハイキュー!! 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

  ~あらすじ~

 「小さな巨人」に憧れてバレーボールを始めた日向翔陽は中学最初で最後の公式戦、惨敗を期す。その相手は天才セッター影山飛雄擁する強豪・北川第一中。日向は、影山に雪辱を果たすべく、かつて「小さな巨人」がいた烏野高校排球部に入部するが、なんとそこで影山に再会。ぶつかり合う2人だったが......。古豪・烏野排球部が全国の舞台を目指す、まさに青春バレーボールストーリー。

 

  ぶん、この半年くらいでハマったものは?と聞かれたら私はとりあえず「ハイキュー!!」を挙げる。マンガも、アニメもだ。またほかの機会にいろいろと書きたいと思うが、この作品の一番の魅力はそれぞれのキャラクターの個性と描写の細かさだ。天才だけではなく”普通”のキャラクターにもスポットライトが当てられている。それから、試合展開の描写がすごい。本当に試合を観戦しているような気持ちになるほど細かく、でもけっしてくどくない。

 直なところ、私は自分が中高生の頃にやった体育のバレーボールがこの上ないくらい嫌いだった。それでも、「ハイキュー!!」は読んでいるうち、めちゃくちゃ熱くなる作品だった。

 

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ブルーハーツ

  ちらはマンガアプリ「comico」で連載中のアプリオリジナル作品。なんとなんと、次回3月6日の更新で最終回である。

 

  ~あらすじ~

 超進学校として名高い明星高校。そこで友達の1人もできずだらだらと毎日を過ごしていた那木夕日は、突然留年の危機に。集められたのは夕日含め学年成績ワースト4人+トップ1人。学校から突き付けられたのは、毎日5人で勉強会をし、ワースト4人全員が次の試験で平均以上となること、それができなければ4人全員即留年確定、という条件。留年をかけた放課後学習が始まるーー。

 

 と言ってもこの4人はただのバカではないし、学年トップの1人もただの秀才ではない。5人それぞれ、そこそこの闇を抱えている。そこがもう大好きなところだ。1人1人の闇が少しずつ晴らされていく過程がすごくいい。また、同じ作者さんの作品である「ReLIFE」がもともと大好きなのだが、ちょいちょい「ReLIFE」と時系列が重なるのがたまらない。

 回が最終回。さみしさはあるが、しっかり見届けたい。

 

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 いうわけで特に好きな3作品を紹介したが、これだけ読んでもまったくかさばらず楽しめる。しかも、待てば無料で読めることも結構多い。アプリってすごい!!そしてマンガの良さや強さに改めて気づかされた1年だった。

 

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 お題「#この1年の変化」というので、思いついた内容の1つがこれでした。ちなみに7個のアプリというのは「LINEマンガ」、「マンガMee」、「マンガPark」、「少年ジャンプ+」、「ゼブラック」、「comico」、「マンガUP!」です。

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リモート一年生。

 に存在を忘れていたわけではないのですが、とても久しぶりの投稿です。どうぞ、お手柔らかに。

 

 日から2月、ということで、大学後期も終了していました。今年は、何と言っても初めてのリモート授業。前にも書きましたが、なかなかに新鮮だったな、という感想です。5月に投稿していたのですが、そのころは8月には大学行かされるんじゃないか!?みたいな呑気なことを書いていたようで。実際にはしっかり一年間リモート授業が続きましたね。ここでは、そんなリモート授業だったり、少し再開した対面授業のことをゆるりと振り返っていきます。

 

 ずは、私を含め多くの大学生が一年間続いたであろうリモート授業。課題が大変、とか、孤独がキツイ、といったようなネット記事をちょくちょく見かけましたが、個人的には普段より楽な気がしていました。課題量はたしかに普段より多かったようにも感じるけれど、そのぶんテストがなくなったこともあったりして、良かったです。課題をまじめにやっておけば成績くれるだろうという安心感がありました。あと、私が履修していた講義がそうだっただけなのですが、コロナ禍で一気に普及したであろうZoomという名のツールを、特に後期は週1しか使わずにすんだのはありがたかったです。しかもその週1の講義も一方的な講義で、こちらから発言する必要がないという。思えば、この後期一度もZoomでマイクやらカメラを使っていない気がします。

 それから、後期から少しですが対面授業も再開されました。対面授業なんて言葉、今まで存在せず、対面授業していたものだったんだな、としみじみ思います。対面授業、といっても再開されたのは実験科目のみです。実験室の人数はいつもの半分以下だったりしながら進められました。これはきつかったこともあったなー、という感想です。実験は午後からだったのですが、午前中はリモート授業があったりするからと、開始時刻は普通よりも1時間遅れ。となると、帰る時間も遅くなるというわけです。大学はほとんど閉まっている状態なので、ちょっと遅くなると自分のいた建物以外ほぼ真っ暗~という感じでした。真っ暗な学校、幽霊でそう(出なかった、残念)。あとは、何せ前期は何も実験をしていなかったわけで、それを後期に少しはやる、ということで普段よりペースが早かったようです。それに伴って、レポートの猶予が短く、それは毎週毎週うわーーーっとなっていました。でも、その愚痴を実験中に言ってられる環境だったことはありがたかったのかな、とも思うことにします。

 

 と、初めてだったのはオンラインでの試験、というやつです。時間制限付きで解いてPDFファイルなんかで提出、といった様子でした。普段のテストより数倍楽だった、だって、そこで答えを探せるんだもの。家で解くから実質なんでも閲覧可。そういう状態だから、妙に難しくされることもありましたが、家でやってるし何とかなる気がしました。それは私がインドア人間だからかもしれませんが。

 それでも、後期はほんの少しですが対面試験、という普段通りの試験もありました。前期は完全オンラインだったので、久しぶりの暗記勉強。暗記って難しいと感じたのは、まともに暗記するのがほぼ1年ぶりだったからか、はたまた21歳多少なりとも記憶力の低下が始まっているのか、、、。あんまり考えたくないことです。

 

 いう感じで、1年間のリモート授業を振り返ってみました。どうやら来年度からは実験科目以外でも少しずつ対面授業を増やす大学も多いようですね。かく言う私は、来年度研究室配属の予定であり、いわゆる授業、というものはなさそうなので、大学がどの程度混み合うのか、、、と少し憂鬱です。ただでさえ人ごみ嫌い人間が、ほぼ1年人ごみを経験せず生きてしまったので、どうなることやらと思っています。とは言え、これまでの「普段通り」というのがやっぱり一番良かったんだな、と感じます。リモート授業だったり新しいことがいろいろあったのはなかなか面白かったことも事実ですが。

 まだまだ緊急事態宣言も続きそうだし、いろいろ先行き不透明な状況ですが、マスクをしないで普通に過ごせるときが来ることを願っています。

 

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「元選手」という言葉選び

 「元選手」「職務放棄」。インパクトの強すぎる言葉はたちまちSNS上を騒がせる。それは発言した人間の思惑なのか、それとも記事を書いた人間の思惑なのか、それとも本当に「たまたま」なのか、明らかにすることはできない。それでも、今回の発言は、ないよな…と感じた。

 

 日、11月14日、東京スポーツのWeb記事。今季の巨人・小林誠司選手に対し、原監督は「”元”野球選手」「職務放棄」といった言葉で言い表した、といったことが書かれていたことがきっかけに、SNS上を騒がせた。正直、うまいな、とも思った。東スポも、原監督も。こんなワード、大きかれ小さかれ、絶対に炎上が起きる。しかも、ターゲットは球界トップレベルで何かと話題にされやすい小林誠司。ここで騒ぎが起きるのは両者の思うツボ。ある意味、こんなふうにブログに書いていることだって、そのツボにまんまとはまっているんだと思う。

 

 Twitterを眺めていると見られたのはひどい発言だという意見や、これはパワハラともいえるという意見、これは期待の表れなんだという意見だったり、批判擁護賛否、いろいろある。でも、ここで言いたいのはそういうことではなく、不特定多数に見られることが確実な場所において、この言葉選びは間違っていないのか、ということである。

 

 事の内容、印象を真に受けるつもりはまったくないが、どんな文脈であろうと、一選手に対し監督がそのような言葉を用いて表現した、というのは事実なのだろう。もちろん、文脈が違えば印象はまったく変わりうる、ということも少なくないし、真意はうかがえない。しかし、そういうインパクトの強すぎる言葉が「拾われる」というのは想像できることだと思うし、ましてやこういう世界に長らくいる原監督がそんなことをまったく意識していない、というのは考えにくい。それをわかったうえであえて発言した、と考えると、その行動は正しいとはいいがたい。あえて選んだ言葉がそれ、というのが許せなかった、というか、それは違くないか、と感じた。

 

 ちろん、すべて「きれいな言葉」を使うべき、ということではない。どこにでも批判は絶対に必要。そして、私は小林誠司という選手を相当応援している人間だが、今季の小林に関しては批判があっても仕方ないとは感じる。それでも、批判と煽りと非難はすべて違う。批判を、インパクトのあるようにおもしろく言うことも違うと思う。それは、ある人を笑わせることもできるが、他の人をつらくさせることもある。その中にはきっと、いつもチームを選手を、心から応援しているファンもいる。それでも、その言葉を選んだことに非はないのか。

 

 もまあ、こんなところでただのど素人の凡人がぼそぼそ言ったところで何かあるわけでももちろんない。これを書きたかったわけではないけど、ここまで書いてきて書きたくなったので、最後に。期待の表れ?批判?そんなのどっちでもいい。これが本当の監督の思惑通りなのかもしれない。でも、そんなことどうだっていい。私は、小林誠司の逆襲がとにかく見たい。それだけだ。

 

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めちゃくちゃ久しぶりの投稿、正直、こういうネガティブなことを書くのは…とためらう気持ちもありました。でも、ほんの少しですけど自分もブログという言葉を使って公開することを趣味にしている身なので、感じることが少なからずありました。うまくは言えないけど、たまたまこれを目にした方に、少しでも何か感じるものがあればうれしいです。それにしても、言葉選びって難しいですよね…

 

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帰ってきた小林、始まる逆襲

 打で登場して空振り三振、その後、守備につき三者凡退で終わるとすかさず投手のもとへ行き、言葉を交わすーー。

 ついに、小林誠司が帰ってきた。

 

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 6月21日、開幕3戦目にしてデッドボールによる無念の負傷交代。そこからリハビリ、ファーム戦での実践復帰とかかったのは3か月。正直言う。めちゃくちゃ長かったよ!!!!全治3週間程度の見込みって何だったんだって何度も思った。梅雨が過ぎて冷房ガンガンに使って、気付いたら夏休みで、いつの間にかほんの少し涼しくなっている。なのに、小林は帰ってこない。でも、驚きだったのは、開幕3戦目にして離脱した選手のことが、良くも悪くもちょくちょく話題にのぼっていたことだった。

 開幕三戦目に離脱、といっても今季、フルイニング出場した試合は1つもない。スガコバで勝利した開幕戦は7回の打席で代打を送られ、開幕2戦目は出場なし。そして負傷した開幕3戦目。そして、そこから一軍での姿は見られず、3か月。でもこの間にいくつも小林のことを言及したネット記事を見た気がする。

 もちろん、いいものばかりではない。というか、ケガの回復の経過に関するもの以外はあまり肯定的なものはなかった気がする。もう回復しているが一軍に必要ないから呼ばれていないとかあるコーチが言ったとか言わないとかの話や、澤村拓一の次にある電撃トレードは小林だとかいう根拠の少なそうな憶測などなど。それでも、ここまで多くの話題を生み出されていることがすごい。今までもSNS上で超擁護派vs全否定派みたいなのはたびたび見られたけど、それは試合があったから。試合に出てもいない、一軍にも登録されていない、本人ただいまリハビリなう、そんな状況でもまったく忘れられることなくちゃんと物議が起きる。ちゃんと、という言い方もおかしいが、忘れられていない、というのが小林のすごさだと思う。

 

 して、ついに昨日の一軍復帰。0-6と巨人がDeNAに大きく突き放されていた8回、代打で登場。気合の(?)オールドスタイル。ここで結果は待望の……空振り三振。その後、守備にもつき、大江とバッテリーを組み三者凡退に抑える。フレーミングが、とかいろいろポイントがあるんだろうけど、1つだけ言いたい。あの、防具をつけてホームベースの後ろにしゃがんで、サインを出す姿。そして、3アウトをとると、すかさず投手のもとに駆け寄る姿。ああ、小林だ、小林が戻ってきたんだ、としみじみ感じてしまった。

 

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 も、ここで終わってしまったら困る。いや、終わるわけがない。だって、物議が醸されながらも、小林にはここまで常に中心に居続けている、という事実があるから。開幕直後の無念の負傷離脱という絶望的なシチュエーションからの逆襲がやっと幕開けだ。いったい、どんな逆襲が見られるんだろう。また今日から、わくわくが止まらない。

 

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やっと戻ってきましたね!小林選手! 今シーズンもだいぶ終盤に近付いてきましたが、そんなことは気にせず、また応援していきます。

 

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2019年 神宮球場で撮影

 

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澤村という存在

  たまた、トレード成立である。

  澤村拓一が電撃トレード移籍。衝撃が走った。

 

  ってしまうと、特に澤村のファンだ、というわけではない。マウンドに立つ姿を見て、ハラハラさせられた場面はいくつもあるし、時には落胆させられた記憶も残っている。それでも、そこに「いる」選手、それが澤村だった。

 「澤村劇場」「マッスルミュージカル」なんてファンにはあおられることもあった。まさかの三塁側ベンチへの暴投の動画も今でもツイッター上でたびたび見かける。その一方で、2011年には新人王、2016年には最多セーブのタイトルを獲得している。今季だって、三軍降格なんてニュースが話題にもなっていたけど、先発1試合を含む13試合に登板しており、相変わらずのマッスルぶりを見せていた。

 

 あのなんとなく感じるふてぶてしさからなのか、私生活のごたごたが見えてしまったからなのか、それともやっぱりマッスルだからか、なんとなくファンにとってもダメだしOK的な存在にいるのが澤村だったように思う。そんな存在がいなくなってしまうのは、寂しい。ダメだしがいいとまではいかないが、ダメだしは愛でもあると思う。ダメだしやあおりを受けながらも、なおふてぶてしい雰囲気でいる、いくら不安定な投球を見ても、そんな澤村だから目を離せなかった。

 

 からロッテに移籍しても、またそんな澤村を見たい。日本シリーズでも交流戦でも、また「あ、マッスルだ!」と思わせてほしい。

 

  っき、「新人王」と書いてふと思い出した。澤村がルーキーの頃、私は小学生だったのだが、同級生だった坊主頭の野球少年が澤村の下敷きをもって、澤村のかっこよさを熱弁してくれた記憶がある。そして、新人王が決まった時には太いマジックペンでその下敷きにでかでかと「新人王!!!」と嬉しそうに書いていた。その下敷き、今ではどうなっているんだろう、まだそのまま残っているのだろうか。彼が今、どこで何をしているかすら知らないので、そんな澤村の下敷きの行方なんぞもはや情報を得る術もないわけだが。

 

 

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ダメだしされたり煽られたり…それでも、間違いなく、かつてはエース候補、そして、ブルペンを支えた選手だったと思います。今後はロッテでの活躍を期待!!! 

 

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開幕戦、菅野智之の後ろ姿と「Change」

 

 「諸行無常」、「盛者必衰」なんて、琵琶法師たちは上手いこと伝えたものだ。常なんてない。ものごとはすべて変化し続ける。スーパーやコンビニに行くと、レジ袋をもらうにもお金が必要な時代になった。今までコンビニでお茶一本買うだけでは有無を言わさずテープをビッと貼って渡してきた店員のお兄さん、最近じゃ「レジ袋はどうなさいますか?」なんて律儀に聞いてくるじゃないの。それから、スーパーで三連100円くらいのコーヒーゼリー、最近見かけないなーなんて思ってたらいつの間に販売終了だって。あれ、安くて最高に好きだったのにいきなりなんでなくなっちゃうのさ。全然話は違うけど、ちょっと前にあるアーティストの曲を聴きたいと友人に言われ、CDを貸すと「ゴメン、うちにCDラジカセなくて聴けなかったわ」って言われちゃった。たしかに私もCDラジカセから聴くよりウォークマンで聴く方が断然多いけどさ。え、ウォークマンですら古いって? いやいや、スマホがあってもウォークマンは便利よ。

 こんな変化だらけの時代だからだろうか。開幕戦、東京ドームのマウンドに例年と変わらない様子で上がった背番号18・菅野智之の後ろ姿は、美しくてかっこよく、思わず涙が出そうになった。そのバックには今までのような観客の声も応援団による鳴り物の音もなく、菅野の登場曲、SHE’S「Change」が美しく流れていた。

 

 ろいろなことが大きく変化しながら進んでいる今シーズン。東京五輪との兼ね合いで例年よりも早い開幕の予定が一変、新型コロナウイルスの感染拡大によって延期に延期を重ね、やっと無観客という形ながらも6月19日に開幕したペナントレース。5000人の人数制限という形で7月10日からは有観客での試合が行われているが、これからだってどう変わるかまったく誰にもわからない。

 また、先ほど「例年と変わらない様子で」なんて書いたけど、菅野だって変わった。野球の難しい用語なんかはわからないけど、そんな素人ファンの私でも1回見ればわかるほどの投球フォームの大きな変化。「変わっていくことへの勇気が必要」といったことをインタビューなどでたびたび語る、菅野らしい行動だったのかもしれない。

 開幕戦、相手投手・西勇輝から本塁打を打たれるという驚きの場面もあったが、7回107球2失点とエースらしいさすがな投球で見事チームを勝利へ導いた。今季開幕戦勝利、というだけでなく、菅野自身は開幕戦通算4勝で球団タイ記録、また、球団通算6000勝という節目の一勝ともなった。

 

 っと変わらないものなど ここにはありやしないよーー。その歌詞とともに菅野はその変化し、さらに強くなった姿を画面越しではあるが多くのファンに見せた。投球フォームを大きく変化させたことだけでなく、たぶん、その他も変化したことがあると思う。それがあの美しいマウンドに上がった後ろ姿だったのだ。でも、本当に何もかも変わるのだろうか。変わっていくことはすごいことだ。だって、繰り返す日々から、変化を起こすことはだれにとっても決して簡単なことではないから。でも、とても矛盾しているようだけど、変わらないものもあるからこそ、変化というのがあるのだとも思う。菅野がなぜ投球フォームを変えたのか。それは紛れもなくまたさらに強くなるためだと思うし、その想いというのは今までも確かにあった、そしてこれからも決して消えるものではないだろう。核にある部分はきっとこれからもまったくゆるがない。そして、その想いによって今までの意味だってこれから生み出せるのだと思う。

 

 「盛者必衰」なんて琵琶法師たちは伝えていった。勢いの盛んな者も、いつかは必ず滅びてしまうらしい。それは一般的にはそうかもしれないが、菅野智之には通用しないだろう。また、強くなるーー、その想いが揺るがず、核にある菅野は、今までもこれからも進化し続ける。その後ろ姿をリアルタイムで見られている私たちは恐ろしいくらいの幸せ者だ。

 

 

 あさあ、今日も夕焼け小焼けが外から聞こえてきた。時計の針も17時30分をまわったようだ。スマホスポナビ速報アプリを開いて今日のスタメンとテレビ中継の放送局を確認する。今日もまもなく、巨人戦が始まる。と、その前に、冷蔵庫を開いて、プリンを取り出す。販売終了になっていた三連のコーヒーゼリーの代わりで買った、同等価格の三連のプリン。これでも食べて、テレビの前で少々待機。さあ、まもなくプレイボール。変わらず進む毎日の中で、今日も行われるプロ野球。今日はどんなドラマが生まれるんだろう。

 

 

 

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 文春野球フレッシュオールスター2020 に応募し、恐縮ながら「ヤングフレッシュU-22 優秀コラム賞」をいただいた原稿をそのまま載せました。

文春野球コラムは始まった当初から大好きで、毎日のように読み漁っています。そのため、今回のことは本当に嬉しかったです。今後とも精進していきます!!

 

 

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